イコロ物語

「ヒートショック」対策に威力を発揮
ユーザーの「声」を生かしたヒーターの開発

主力商品である「マルチヒーター」をベースにしたトイレ用小型暖房器。

住宅の窓下に設置し、窓際の結露・カビを抑制、冷気侵入防止のも効果を発揮する「マルチヒーター」の委託生産を引き受けていたナカガワ工業。

下請け仕事ではあったが、2002年の販売から関東地方を中心に累計約15万台を販売するヒット商品になる。

その後、「マルチヒーター」事業を全面継承、部材の自社調達から開発・製造する家電メーカーに変貌、下請けからの脱却を図ることが出来た。

さらに、同技術を応用した、北海道立総合研究機構工業試験場と共同開発の足元を暖める「竹ふみヒーター」も事業の柱となり、現在に至っている。

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=ものづくりへの思い=

ある時期、主力商品である「マルチヒーター」の納品先並びに実際の使用者の方から、同じような問い合わせ、要望が何件も寄せられた「トイレ用の暖房器を取り扱って無いか」と。

・・・なぜトイレなのか?不思議に思い市場調査を行うと、そこで予想もしなかった意外な事実が分かった。

それが、「ヒートショック」である。比較的暖かいリビングなどから浴室、脱衣室、トイレなど、温度差が大きいところへ移動すると、身体が温度差に耐えられず血圧が急変、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす事象だった。

「商品ニーズがこれにある」。ナカガワ工業のものづくりに対する思いが激しく揺れ動いた瞬間であった。

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=試行錯誤からの・・=

「ヒートショック」を緩和し、シニアに役立つ商品を提供したい。

しかし、ナカガワ工業はヒーターのプロフェッショナルではあるが、トイレのプロではない。そのため、工業デザイナーの支援を受け、全員参加のワークショップを実施し、アイデアを出し、絞り込み、コンセプト設定、試作品の制作を繰り返した。

切削造型機、3Dプリンターでモデル化、赤外線サーモグラフィーで実際の熱効率を計る。

しかし、仮にコスト面を押さえられても海外製の安価な商品との競合はどうしても避けられない。

今までに無い新しい発想(機能、安全性、デザイン)が必要で試行錯誤の中、地元金型メーカーの協力を得て、モニターからの意見を参考としながら、商品開発を進めた。

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=製品へのこだわり=

実験段階で特にこだわったのはデータ、数値の取得。

他社製品と冷静に比較をするためには、数値が最も効果的である。

そのため、社内恒温室に仮装トイレを作り実験を繰り返し、冬場でも室温20度を保つ、最も熱効率の良い形状のパネルヒーターを完成させた。表面温度は55~60度で、火傷や引火の心配も無く、他社製と比べて期待できる省エネ効果は大きい。

高級感のあるデザイン、フラットな自立型、シンプルな操作性、何より、美しいアルミ湾曲ダブルパネルと対流&輻射式効果のあるヒーターは「icoro(イコロ:アイヌ語で宝物)」と名付けられた。

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